カテゴリー:
乳歯の虫歯予防 ー おやつや甘いものはどうすれば良い? ー
今回は乳歯の虫歯についてお話をしたいと思います。
虫歯ができる原因
- 乳歯はどうして虫歯になるのか。
- 乳歯の虫歯は親から移るのか。
- 乳歯の虫歯を予防するにはどうすれば良いのか。
保護者の方には多くの疑問があると思います。
虫歯ができる原因には、『カイスの3つの輪』や、『ニューブランの4つの輪』が良く用いられます。
実際には文化や環境、虫歯に関する知識など非常に多彩な要因が関係しているとされていますが、『カイスの3つの輪』は非常にわかりやすいため、当院でも患者さんへのご説明に使っています。
カイスの3つの輪は、簡単に言うと、
- 歯の質、歯並びなどの個体的要因
- むし歯菌の有無や数
- 糖の摂り方
になります。
これらが揃うと虫歯ができます。
(以前カイスの3つの輪を紹介しましたので、詳細はこちらをご覧ください。)
今回はその中でも、『虫歯と甘いものの関係性』についてお話ししたいと思います。
乳歯の虫歯と甘いもの
カイスの3つの輪にもあるように、糖は虫歯の原因の1つです。
虫歯は、虫歯菌がお口の中にある糖を利用して酸をつくることで歯が溶けてできます。
そのため、仮に一切糖を摂取しなければ、酸はつくられず、虫歯にはなりません。
では、現実問題として、お子さまにおやつをあげたりするのはどうすれば良いのか、多くの保護者の方がお悩みだと思います。
虫歯になりやすいおやつ
繰り返しになりますが、虫歯菌は口の中に入ってきた糖を利用して、酸を出します。
つまり、お子さまと同じように、虫歯菌もお砂糖が大好きです。
お子さまが口にする糖には様々な種類があります。
- 牛乳や母乳に多く含まれる乳糖
- おにぎりに多く含まれるでんぷん
- 果物に多く含まれる果糖
- お菓子に多く含まれるお砂糖、黒糖
などです。
その中でも『お砂糖や黒糖が最も虫歯の原因になる』ことがわかっています。
また、虫歯になりやすいお菓子には2つの要件があります。
・お砂糖、黒糖などの含有量が多い
・お口の中に糖が残りやすい
お砂糖の量が多いものは、なんとなくイメージが付くかと思います。
- グミ
- アイス
- クッキー
- ジュース
- チョコレート
- ソフトキャンディー などです。
お口の中に残りやすいものとは、
- チョコレートやクッキー、ジュース、アイスなど、歯の表面に残りやすいもの
- ジュースやアイスなど咬まないので唾液が出にくいもの
が挙げられます。
どれも子どもが好きなものばかりですね。
虫歯になりにくいおやつ
お砂糖が含まれている、口に残りやすいお菓子を避けるように考えると、現実的にはくだものが最もお子さまのおやつに適しているのではないかと考えています。
また、おやつはもともと足りていない栄養素を補給する役割なので、必ずしも甘いものである必要はありません。
チーズや無糖ヨーグルト、お子さま用のスナックなどでも良いでしょう。
また、当院では、『お砂糖デビューは3歳からにする』ことを目標にするようにしています。
厳密に3歳まで一度もお砂糖を摂らないことは難しいので、特別なときだけにすることが重要です。
日常的にジュースなどを飲むことは避けましょう。
ただし、ご兄弟がいる場合や、おじいちゃんやおばあちゃんに預けている場合など、どうしてもお砂糖の摂取が早くなったり、機会が多くなったりする場合もあると思います。
カイスの3つの輪を考えると、虫歯の原因は一つではありませんので、フッ化物を利用して歯を硬くする、歯科で歯みがき指導を受けて虫歯菌が少ない状態にする、などの他方向からの予防方法もありますので、お悩みの方は、ぜひ歯科にご相談ください。
当院では虫歯の予防を重視した、予防歯科を行っています。(こちらをご覧ください。)
当院では地域の保育園などで、虫歯予防のための様々な取り組みを行っています。(こちらをごらんください。)
当院副院長は、専門学校で虫歯の原因や予防、治療に関する講義を行っています。(経歴はこちらをご覧ください。)