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子どもが『歯みがきをいやがる』とき、どうしたら良い? – こどものむし歯予防-
最近の子どものむし歯
当院は、『小児歯科』を標榜して40年以上が経ち、たくさんの子どものお口の中を診てきました。
(小児歯科を標榜していますが、子どもから大人まで幅広く対応しています。)
近年は、診療所に来ている子ども達のお口の中や、保育園検診などでも、かなりむし歯が減ってきたことを実感しています。
保護者の方のむし歯予防の意識が高まっていることや、予防に関する様々な医学情報や製品が普及していることなどがその理由と考えています。また、保育園などでは食事や間食が規則的なことなども影響しているかもしれません。
子どもが歯みがきをいやがる?
しかし、その反面、赤ちゃんのむし歯予防はどうしたら良いのかわからない、そんな方も多いです。
あるいは、歯みがきをしっかりしなきゃいけない、夜間の授乳は良くない、など知識はあっても現実的にうまくいかない、という保護者の方の声が良く届いてきます。
そんな中でも、保護者の方から良くご相談されるのが、『子どもが歯みがきをいやがって磨けない』ということです。
お子さまがむし歯にならないように、しっかり歯みがきをしてあげたいという保護者の方のお気持ちが伝わってきます。
その対応については、模範的には、
・お子さまが動いて暴れないように仰向けにして身体を抑えながら歯みがきをする
・歌などをうたいながら楽しい雰囲気で歯みがきをする。
・話しかけながら行う。
などが挙げられます。
現実的にはどうでしょうか?
このような対応で問題なく済むこともあると思いますが、家事、育児、仕事など、様々な事柄に追われている日々の中で、
『暴れるこどもに対して楽しい気持ちにさせてあげながら歯みがきを毎日する』
ということがどれだけ体力的、精神的に大変なことか、想像にかたくありません。
私たちは、これらの理想的な対応についてのお話と、それが難しい時の現実的な対応についてお話しています。
まず、お子さまが小さい時期は、『きれいにしっかりみがく』ことよりも、『食後(特に夕食後)に歯をみがく』という習慣がつくことが最も大切であると考えています。
そして次に、保護者の方に、むし歯の予防は歯みがきだけではない、ということを知ってもらうようにしています。
むし歯ができる原因
以下にむし歯のができる原因を表したカイスの3つの輪を紹介します。
①個体:歯の質、歯並び、唾液の質など
②病原:細菌、歯垢(プラーク)
③環境:糖の摂り方
これら①~③が全てそろった時に、むし歯は発生します。
(さらにニューブランという研究者が提唱したニューブランの4つの輪では、これらの因子にさらされている時間も重要と考えられています。)
歯みがきは②の歯垢を取り除くところに関わっていて、とても重要ではありますが、あくまで原因のうちの一つであるとも考えられます。
例えばフッ化物などを利用することで歯の質が高ければ(歯が硬ければ)、歯みがきがうまくできていなくてもむし歯の発生のリスクを下げることができます。
むし歯は身体のさまざまな病気に比べれば、正しい知識と対応によって発生を減らすことができる病気であると思います。
しかし、正しい知識を持っていても、
それを行うことができる時間的、体力的、経済的、精神的な余裕がなければ予防することはできません。
当院では、お越しになった方のお子さまや、保護者の方の一人ひとりの状況に合わせて、むし歯のリスクを減らすために実行可能な、現実的なアドバイスができるように努めたいと考えています。
当院副院長は、医療専門学校で、むし歯の原因や予防などについて講義を行っています。
『歯みがき』『むし歯予防』についてお困りのことがありましたらぜひご相談ください。
HPの予防歯科のページもご参照ください。(ページはこちら)