歯周病治療 PERIODONTAL

歯周病とは

歯周病はお口の中の細菌によって引き起こされる感染症です。歯と歯茎の境目がうまく清掃できていないことで、歯茎の中で炎症が起きます。
初期の段階では、歯茎だけに炎症がとどまるため、適切な清掃により改善しますが、進行すると周りの骨にも炎症が起き、歯茎と骨が破壊されていきます。
こうして歯を支える土台となる顎の骨が溶けることで歯が揺れるようになり、強く噛めなくなってしまいます。

当院、副院長は専門学校にて「歯周病」に関して講義を行っています。

副院長プロフィール

歯周病の原因

歯周病は歯と歯茎の境目に形成された歯垢(細菌の塊)によって引き起こされます。
歯周病を引き起こす細菌(歯周病原細菌)は、歯茎や顎の骨を破壊する毒素を持っています。
そのため、歯茎の内部に歯周病原細菌が残り続ける限り、歯茎と顎の骨は破壊され続きます。

歯周病と全身疾患の関係性

歯周病はお口の中だけの病気と思われがちですが、全身に様々な悪影響を及ぼすことがわかってきました。昨今では、歯周病原細菌がアルツハイマー型認知症、脳血管疾患、心血管疾患、糖尿病、慢性関節リウマチ、誤嚥性肺炎、一部のがんなど、様々な病気の発症のリスクを上げることや、病気の状態を悪化させることがわかってきています。
また、早産や低体重児出産のリスクが高まることも指摘されています。

歯周病の進行度

Flow01歯肉炎

歯垢(細菌の塊)が歯茎の中に形成されると、歯垢の中の細菌の影響によって歯茎に炎症が起きて赤く腫れるようになります。しかし、必ずしも痛みが出るとは限りません。


Flow02軽度歯周炎

歯肉炎が悪化すると歯と歯茎の境目の溝が深くなり、歯周ポケットと呼ばれる状態になります。歯ブラシの毛先が歯周ポケットの深い部分まで行き届きにくいため、ますます細菌や歯垢が溜まりやすくなります。歯周病原細菌が出す毒素の影響により歯茎が下がったり、顎の骨に炎症が広がり、骨が溶け始めます。


Flow03中等度歯周炎

歯周ポケットの内部に付着した歯垢や歯石の中に存在する歯周病原細菌が出す毒素により、歯茎が下がり、歯を支える顎の骨が失われ続け、歯に揺れが出てくるようになります。


Flow04重度歯周炎

顎の骨がさらに失われ、歯の揺れが強くなり、ものを噛んだ時の違和感や痛みが顕著になってきます。歯磨きの時の歯茎の出血や、口臭、歯周ポケットから膿みが出るなどの症状が出ることが増えてきます。


歯周病治療の流れ

一人ひとりお口の状態は異なるため、歯周病を発症した原因や現在の状態を慎重に診断し、それぞれに適した治療方法をご相談します。
以下は治療例です。

  1. Flow01

    診察、検査、治療計画の作成

    お困りのことや症状をお聴きします。続いてお口の中を診察します。
    歯周組織検査とよばれる歯茎の状態を調べる検査や、エックス線検査などを行います。
    現在の状態を把握した上で治療計画を立てます。

  2. Flow02

    歯周基本治療・再評価

    歯周病の治療は、患者様自身が正しいブラッシングができるようになることが最も大切です。そのためお口の状態に応じた適切なブラッシング方法をご指導します。
    また、歯石除去、歯面研磨などを行い、歯周病原細菌を減らします。

  3. Flow03

    歯周外科治療・再評価

    深い歯周ポケットの中に残った歯石や、炎症が起きた組織を取り除くための外科処置や、失われた骨を再生させる処置(再生治療)などを行います。
    この処置は歯周病治療を行った全ての患者様に必要なわけではありません。状態に応じてご相談します。

  4. Flow04

    メインテナンス

    治療後も良好な状態を維持できるよう、1~4か月ごとの継続的な管理(メインテナンス)を行います。

よくある質問

歯みがきの時に歯茎から血がでるところがあります。これは歯周病でしょうか?
歯みがきの強さや、歯ブラシの硬さ、歯みがきのやり方が適切にもかかわらず、歯みがきの時に歯茎から血が出る場合、歯肉炎や歯周病の可能性があります。
軽度の炎症であれば、適切に対応することで改善する場合もありますので、歯科医院にご相談ください。
歯周病になると必ず症状が出るのでしょうか?
歯周病は、歯茎の溝に住みついた歯周病菌によって起こる炎症で、歯茎やアゴの骨が壊されていきます。多くは慢性的な炎症で、自覚症状が出ないことも多いです。
つまり、『自覚症状がない』イコール『歯周病がない』とは言えません。
健康な状態を保ち続けるために、『予防歯科』が大切です。定期的に歯科を受診して歯茎の状態をチェックしましょう。
歯周病の予防にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
定期的に歯科医院に通い、メンテナンスや検査を行うことで、歯周病にならないようにすることや、なっていたとしても初期の段階で発見しやすくなります。
定期的な歯科検診が、歯の長持ちにつながることが研究データでも示されています。
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