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赤ちゃんはいつから歯医者に通ったら良い?
『赤ちゃんは歯科にいつから通ったら良いのですか?』
保護者の方からご質問されることがあります。
今回はこのお話をしたいと思います。
目次
こどもは歯医者に何歳から通ったら良いの?
悩まれている保護者の方も多いかと思います。
実際のところ、『○○歳から歯医者に行きましょう』という統一の見解はありません。
日本小児歯科学会は、『下の歯が生えてきたら定期的に歯医者に行きましょう』と提唱していることは参考になるかと思います。
赤ちゃんは一般的に、歯が生えてくるのが生後6~9か月頃で、下の歯が最初に生えてくることが多く、当院でも下の歯が生えてきた頃に保護者の方が赤ちゃんを連れていらっしゃることが多いです。
赤ちゃんの歯科受診の内容
この時期にはむし歯になっていることは限りなく少ないです。
そのため、
- 正しい歯みがきの仕方
- むし歯予防(フッ化物(いわゆるフッ素)や、食生活など)
- 舌や唇、歯ぐきなどに異常はないか
- 離乳食のあげ方、食生活に関する指導
- 授乳について
などについての診察や、保護者の方が正しい知識を得ることが歯医者受診の目的になるかと思います。
また、大切なことは、『定期的に』歯科を受診することではないかと思います。
それはなぜかというと、
赤ちゃんは成長とともに歯の本数が増えていき、食生活や適切な歯みがきの方法も変わっていきます。
定期的に歯科を受診することで、今の時期にはむし歯予防やお口の健康のためにどんなことが重要なのか、これからお口の中がどのように変化していくのか、を知ることができます。
このようにむし歯や悪いかみ合わせなどのリスクをあらかじめ察知して、未然に防ぐことが予防歯科の醍醐味と考えています。
(むし歯の予防、予防歯科についてはこちら)
子どもの歯でむし歯が多いと、大人の歯でもむし歯が多い傾向がある
厚生労働省は『健康日本21』という政策で、子どものむし歯に関して以下のような取り組みを行っています。
・3歳児でう蝕(むし歯)がない者の割合が80%以上である都道府県の増加
・12歳児の一人平均う歯(むし歯)数が1.0歯未満である都道府県の増加
・過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加(子どもに限らず)
なぜ3歳児のむし歯を減らす必要があるかというと、子どもの歯(乳歯)のむし歯は、大人の歯(永久歯)と大きく関連することがわかっているからです。
つまり、『子どもの歯でむし歯が多い子は、大人の歯になってもむし歯が多い傾向にある』ということです。
したがって、乳幼児期の食生活や、口腔清掃の習慣、保護者の方のむし歯予防の知識は、お子さまの生涯のお口の健康に大きく影響すると考えられます。
むし歯だけではなく、かみ合わせやお口の機能・筋肉の異常も早めに発見できる?
近年、小児歯科では、お子さまのむし歯予防だけではなく、悪いかみ合わせや、お口がぽかんとあいている、口を閉じない、舌小帯が短い、などのお口のまわりの筋肉やお口の中の小帯(スジ)などに対しても、評価し、改善していく試みが積極的に行われています。
<舌の裏のすじの付き方の異常>
こうした機能面や形態面の異常は、指しゃぶりや爪をかむなどのクセが引き金になっていることもあり、赤ちゃんや幼児期から定期的に経過を見ていくことで、適切な時期にトレーニングなどを開始して、悪いかみ合わせや、機能の異常の発生を未然に防ぐことができる場合もあります。
(お口ぽかんに関してはこちらをご覧ください。)
このように赤ちゃんの頃から、定期的に歯科を受診することで、むし歯の予防だけでなく、様々な異常に早めに気付くことや未然に防ぐことが出来る可能性があると考えています。
赤ちゃんが歯医者を受診時に泣いてしまうのは問題ありませんので、ぜひご相談ください。
小さなお子さまがいらっしゃる、保護者の方の歯の検診・治療について
『これまでは歯科に定期的に行っていたのに、子どもが生まれてから全然行けてない』
と良く保護者の方からお伺いします。
当院では、小さなお子さま(2歳半前後まで)がいらっしゃる保護者の方の治療や検診の際に、スタッフがそばでお子さまを見ていることができます。(赤ちゃんの場合は抱っこも可能です。)
ご対応できる時間帯や曜日は限りがありますが、ご希望がある方はお電話の際に、託児希望とお伝えください。