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お子さまの『お口がぽかーんとあいている?』『口を閉じない?』
お子さまのお口がいつもぽかんとあいている?
口腔機能発達不全症について
以前、舌小帯短縮症のブログでも少しご紹介しましたが、近年、子どもが『食べること』や、『話すこと』などの機能を正しく獲得できていない状態を『口腔機能発達不全症』と呼ぶようになりました。
(以前のブログはこちら)
大人の場合、一度獲得した機能に異常が起きた場合や、何らかの原因で機能が落ちてしまった場合、その機能を再度獲得するための訓練を『リ・ハビリテーション』と言います。
一方で、子どもの場合は、身体機能の発達のまっただなかにあり、はじめて機能を獲得する『ハビリテーション』の時期にあります。
口腔やその周囲の組織においても『食べる』、『話す』、『飲み込む』など様々な機能が育まれていますが、特に原因となる病気などはなく、発達が遅れている場合や、誤った機能を獲得している場合を『口腔機能発達不全症』と呼びます。
咬むことや飲み込むことがうまくできない、構音の異常、口呼吸などが口腔機能発達不全症の特徴です。
日常生活で気づきやすい、口腔機能発達不全症の具体的な特徴としては以下のようなものがあります。
- 食べるのが遅い。
- お口がぽかんと開いている。
- ものを食べる時にクチャクチャ音がする。
- あまりかまずに飲み込んでいる。
この中でも特にご相談が多いのが普段から『お口がぽかんとあいている』ことです。
お口がぽかんと開いていることの原因と対応
お口がぽかんとあいてしまう理由には様々なことが考えられますが、その中の一つとして、『口の周りの筋肉が弱いこと』が挙げられます。
(原因となるのはこれだけではありませんので、十分な診察が必要です。)
口の周りの筋肉がゆるみ(弛緩して)、上唇の形が富士山のような形になっていることが多く、顔つきからも、普段からお口がぽかんとあいていることを推測することが出来ます。
現在では、口の周りの筋肉の力(口唇閉鎖力)を測定することができ、年齢や性別ごとに算出された標準値と比較することができます。
↓↓口唇閉鎖力測定器 りっぷるくん↓↓ ※松風の許可を得て写真掲載
子どもは一人ひとり成長の個人差がありますので、標準値と比較して低いからといって慌てる必要はありません。
また、もしハビリーテーションの過程が遅れていることが考えられる場合は、ご自宅や歯科医院での訓練により、機能の獲得をすることができます。
↓↓ご自宅で使える訓練用の器具 りっぷるとれーなー ↓↓ ※松風の許可を得て写真掲載
子どものむし歯や歯ならびだけでなく、『正しい口の機能を獲得する』することも、より健やかな成長・発育につながります。
当院は、口腔機能発達不全症の対応や訓練を行っていますので、お悩みのことがありましたらぜひご相談ください。