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【院長】2024年の学会活動のご紹介
院長の2024年の、学会での活動をご紹介します。(2024.12.20)
第34回日本産業衛生学会 教育講演
◇2024年10月5日に開催された第34回日本産業衛生学会の教育講演『職域における慢性疼痛や身体違和感などの訴えにどう対応するか?』で、講演しました。
この学会は、職場における心身の健康問題に対して、産業医、看護師・保健師、臨床心理士・公認心理師、歯科医師等の医療者が研究成果を発表し、議論して、国民の健康に寄与するために毎年行われています。
私は、この教育講演で、精神科医・臨床心理士・理学療法士の先生方と一緒に、会員に向けてお話をさせて頂きました。
その内容は、歯科や病院で治療を受けてもなかなか治らない「舌や口の中全体の痛み」、また、神経を取っても抜歯をしても良くならない「歯の痛み」、
そして、長く続いている「顎の痛み」等は、慢性疼痛と呼ばれており、心理的な問題やストレスなどが関係している場合があること。
また、どこで咬んだら良いかわからない、歯がぶつかって気になってしょうがない等の「咬みあわせの違和感」が、治療を受けても良くならない場合があることについてお話しました。
そして、こうした方が職場や家庭にいたら、体の面だけの治療では改善が難しく、心理面やストレスに対する治療、また、職場の環境や仕事面での配慮が必要になることもお伝えしました。
第29回日本口腔顔面痛学会 ポスター発表(共同発表者)・ポスター優秀賞 受賞
◇2024年11月30日に開催された第29回日本口腔顔面痛学会では、
長崎大学の岡安先生が発表し、私が共同発表者となった 『舌痛症患者の自律神経機能を 瞳孔反応から定量的に評価する(岡安一郎,他)』がポスター優秀賞を頂きました。
これは、舌痛症の患者さんに、カウンセリング(認知行動療法的アプローチ)を行う事で、自律神経系が安定することを瞳孔の反応から捉えた研究です。
すなわち、舌痛症の患者さんの痛みに対するカウンセリングの効果は、自律神経系が安定することによる可能性が示唆されました。
認知行動療法的アプローチとは、舌痛症の患者さんは、舌の痛みを舌がん等の悪性疾患によるものと考えている方が多いため、その考えを修正して、安心を与えることで痛みが楽になる場合があること。
また、舌の痛みのために友人との会食や外出を控えている方がいるため、出来るだけ人と接することや外へ出て散歩をすること等の行動を変えることが痛みの改善に繋がること等の治療です。(院長ブログ参照)
以上のこうした学会における最新の研究内容は、みどり小児歯科を訪れている患者さんの診療にも生かしていきたいと考えています。
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