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【院長ブログ】アゴのいたみや開きづらさ、つらさがなかなか治らない? ー顎関節症が長引いていて、治療を受けてもよくならない時はー
はじめに
顎関節症は、大きく分けると耳の前にある「アゴの関節の異常」と、「アゴを動かす筋肉の異常」があり、これらが原因となって症状が現れます
主な症状は、
- アゴの関節や咀嚼筋(下アゴやこめかみなどの筋肉)の痛み
- 口が開けづらい
- 口を開け閉めした時などに、アゴの音がする
などです。
顎関節症の典型例と特殊例
典型的な顎関節症の痛みは、自発痛(じはつつう)といってアゴが何もしなくても痛むようなことや、鎮痛薬を常用する様な強い痛みがでることは少ないです。
また、口の開き具合は、痛みを我慢して開くと少し広がることが多いです。
そして、以前からあったアゴの音がしなくなってから、口が開けづらくなる場合もよくあります。
一方で、顎関節症の特殊例には、
- 痛みが長期化している、または、痛みが鎮痛薬を飲み続けても治らない。
- 耳鳴りやめまい、首や肩の凝りがひどい、背中や腰が痛い、疲労感やよく眠れないなどの症状を伴う。
- 噛み合わせの違和感が辛い
などがあります。
ここで、1. の状態は慢性疼痛と呼ばれており、2. の症状があり、検査をしても明らかな異常が見つからない状態を不定愁訴(ふていしゅうそ)と呼びます。
そして、3. は咬合違和感症候群(こうごういわかんしょうこうぐん)と呼ばれています。
1. と3. については、ブログ️で解説していますので参考にして下さい。
ブログはこちら(慢性疼痛) (咬合違和感症候群)
また、からだ全身の痛みがあり、検査を受けても、はっきりした原因がわからず、日常生活にも支障を来たしているものに線維筋痛症(せんいきんつうしょう)があります。
そして、しばしば顎関節症の特殊例と線維筋痛症は合併することがあります。
このような場合、医科と歯科で連携を取りながら治療を行う必要があります。
顎関節症の典型例と特殊例の治療法
まず、典型例は顎関節症の標準治療を受ける事で、多くの方が1か月程度で改善します。
標準治療については、顎関節症治療のページをご参考下さい。
一方、特殊例は、標準治療では良くなることは少ないです。
顎関節症の慢性疼痛の状態は、カウンセリング(認知行動療法など)やお薬(抗うつ薬や鎮痛補助薬など)、また、運動療法(有酸素運動など)などで対応します。
また、不定愁訴の状態が疑われた場合は、関連する耳鼻咽喉科、神経内科、整形外科、精神科などでの検査が必要になります。
そして、辛い噛み合わせの違和感が続く方は、噛み合わせの検査の他に、心理面やストレス、また、思考面(思い込みやとらわれ等)に対する対応が必要になります。過去のブログを参考にして下さい。
おわりに
顎関節症で困っている方は非常に多くおり、当院では、日本顎関節学会認定の歯科顎関節症症専門医、副院長(和気創)が対応しています。
また、一部の難治な特殊例の方は、医科との連携診療やカウンセリング等が必要になります。
当院では保険診療では出来ない自費カウンセリングは院長が担当しています。️院長ページを参考にして下さい。