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こどもの歯のむし歯は治療しなくても良い?
先日、園医を担当している保育園で保護者の方々に、『こどものむし歯予防』のお話と、歯みがき講習会を行いました。
歯みがき講習会では、たくさんのご質問があり、保護者の方々の熱心さや、知識の豊富さに驚くとともに、お子さまの歯みがきに際して普段様々なお困りごとがあることを再認識しました。
さて、今回はその中でも、『こどもの歯(乳歯)は生え替わるから、むし歯を放置しても大丈夫なのか?』というご質問に対してお話ししてみたいと思います。
こどものむし歯を放置してはいけない理由
こどもの歯は、大人の歯(永久歯)の数がもともと少ないという場合を除いては、通常生え替わり、抜けていく運命にあります。
そのため、むし歯になっても大人の歯になれば大丈夫、という考えはあながち間違えではないかのように思われます。
しかし、むし歯を放置してはいけない理由があります。
むし歯を放置しておくことで、以下のような影響が起こることが報告されているためです。
お口の中の影響
- 痛みがある場合や、穴が開いている、歯がかけている場合などでは、ものを咬む機能が低下する。
- こどもの歯の下で作られている大人の歯の作りが弱くなる。大人の歯に模様が付く。
- 悪い歯並びになる。
全身的・心理的影響
- よく咬めないため、偏食になる。
- 食欲不振になる。
- 心理的影響:劣等感や罪悪感をもつ。
- 微熱が続く。
- 腎臓や心臓などの持病に悪影響を及ぼす。
もちろん、これらは必ず起きるわけではないですし、全てのむし歯を必ず治療する必要があるわけではありません。表層だけの初期のむし歯はフッ化物などで再石灰化させることで治癒することもありますし、生え替わりが間近なこどもの歯では、無理に治療を行わないこともあります。ただし、歯科医院でしっかりと診察、検査を行わなければ判断できません。
こどものむし歯は意外と痛みがでない
また、気をつけないといけないのは、『こどもが痛がる様子がない=むし歯がない』わけではないということです。
日々、歯科医院で患者さんとお話をしていて、『むし歯=いたい』というイメージが非常に強いことを感じます。
意外にも、患者さんが痛みを感じてむし歯が発見されるというケースはそう多くはありません。特に当院においては予防意識が高い患者さんが多いため、重症化したむし歯が少ないことも関係しているかもしれません。
こどものむし歯においても、こどもが強い痛みを訴えて治療にくる、ケースよりも、自覚症状はないことの方が多い印象です。
↓こどもの歯のむし歯が深くなって、歯ぐきが腫れている様子。この状態でも痛みを感じていませんでした。
まとめ
- こどものむし歯は予防が第一ですが、同様に適切な治療も重要です。
- こどもが痛がっていないことがむし歯がない、というわけではないことにご注意ください。
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副院長は専門学校でむし歯の原因や予防に関する講義を行っています。
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