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副院長ブログ

医歯連携・健康セミナー 『糖尿病』について

医歯連携・健康セミナーについて

先日告知していた医歯連携・健康セミナーが無事に終わりました。会場の席数は50数名でしたが、ありがたいことに60名を越す方々にご参加頂きました。
お休みの日にも関わらず、またとても暑い日にも関わらず、たくさんの方々にご参加いただきありがとうございました。
今回は糖尿病をテーマにして、まず『糖尿病』のご講演をたちばな台クリニック院長の山嵜先生に行っていただきました。
その後『糖尿病と歯周病の関係性』について当院でお話をさせて頂きました。
当日の会場の様子

糖尿病の原因

  1. インスリン抵抗性
  2. インスリン分泌の低下
糖尿病の原因には大きく分けて、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)と、インスリンの分泌低下があります。
インスリンは血糖値を下げる働きをもつ唯一のホルモンです。
しかし、過食、高脂肪食、運動不足が原因になって脂肪細胞が変化することで、インスリンの効きが悪くなってしまうことがあるそうです。(インスリン抵抗性)
この状態を改善するために、食事に気をつけなければいけないことはもちろんですが、筋肉量を増やすことでインスリン抵抗性の改善につながることも、とても印象的でした。
また、日本人はもともとインスリンの分泌能が欧米人に比べて低いという特徴もあるそうです。
祖先の食生活の違いや生活スタイルの違い、環境的な違いなど、何か人類学的な要因があるのでしょうか。気になるところです。
また、食後に高血糖になることは心臓疾患死のリスクを上げることが報告されており、ベジファースト(食事の時にまず野菜から食べること)や、食後30分経ったら簡単な運動(散歩や家の中での足踏みでも)をすることにより食後の高血糖が抑えられることなど、すぐに日常生活で取り入れられる事もご紹介いただき、大変ためになる内容でした。

糖尿病の合併症

  1. 細い血管の障害(眼、腎臓、神経)
  2. 太い血管の障害(脳、心臓、末梢動脈)
糖尿病の合併症は細い血管が硬化したり、つまったりして起こる網膜症(眼)や腎臓の障害、手足などの神経障害(しびれなど)と、太い血管に起こる脳卒中、心筋梗塞、末梢の動脈の閉塞などがあるそうです。
生活習慣の積み重ねが、身体の内部を変化を起こしていくこと、それが全身の血管を変化させていくこと、とても怖い疾患であることを再認識しました。

糖尿病の治療薬・治療

一方で、医療の進歩もめざましく、効果の高い新規医薬品も続々出てきているようです。
治療薬は、インスリン抵抗性の改善や、インスリン分泌を促進するものの他に、糖を尿中に多く取り込み、排出するものや、食欲をコントロールするものなど、さまざまな機序の薬剤をご紹介頂き、ご参加の方々も熱心にお聴きされていました。
ご加療中の方にとっては、ご自身がどのような働きをもつお薬を服用されているのかを知る良い機会にもなったと思います。
また、クスリも重要ですが、運動、食事がより重要であることを強調されていました。

感想

今回のお話をお聴きして、日常生活の些細な積み重ねが、糖尿病の発症や悪化につながることや、全身の血管がもろくなったり硬くなってしまうこと、そのことによりおこる合併症の怖さをあらためて痛感するとともに、逆にこのような知識を持って日々の習慣を少しでも変えていくことで、その小さな積み重ねが身体にとって良い方向にいくこともイメージすることができました。
質疑応答もとても活発で、ご参加の皆様の様々なお悩みや、より健康に、という健康意識の高さを感じることが出来ました。
ご講演を通して、山嵜先生のような方が地域にいてくださること、ご自身の健康を気遣い、積極的に知識を取り込もうと勉強されている熱心な地域の方々がたくさんいらっしゃることを目の当たりにして、当院でも今後ますます地域に根付いた、地域の方々の健康を支えていけるような歯科医院を目指す気持ちを新たにしました。
ご講演中の山嵜先生(たちばな台クリニック・院長)
お忙しいなか、貴重なお時間を作って頂いた山嵜先生に深く感謝いたします。
また、暑い日にご参加いただいた方々にも重ねて感謝いたします。
山嵜先生のご講演の次に、当院から歯周病のお話、歯周病と糖尿病の関係性のお話をさせていただきました。
歯周病と糖尿病はお互いに影響し合うこと、歯周病の治療は年齢に関わらず糖尿病に良い影響を及ぼすことなどをお話ししました。
歯周病の詳細は後日まとめさせていただきます。
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