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院長と副院長が日本顎関節学会学術大会に参加しました。

2022年7月2日、3日に札幌市教育文化会館で開催された第35回日本顎関節学会総会・学術大会に私(副院長)と院長が参加してきました。

また、院長は咬合違和感(かみ合わせの違和感)に関するシンポジウムでシンポジスト(発表者)を務めました。

学術大会は、国内外の大学や研究機関、医療機関での様々な症例の経験や、新しい治療方法の提案、これまでの治療方法の再評価、動物や細胞実験を用いた研究報告や、これらに対する議論などを通して、新たな知見を学ぶ場です。

 

様々な疾患に対する診断方法や、有効な治療法を確立させることは、国民の皆様に対してより安全で有効性の高い医療を提供することに繋がります。

 

そして確立された治療法や診断方法は、技術の進歩や、データの蓄積などにより、日々見直され、変化(進化)していくものです。

そのため、医療従事者は、常に知識をアップデートしなければなりません。

 

顎関節学会で、最も活発な議論が上がる疾患は顎関節症です。

顎関節に発症する様々な疾患の中で、最も患者さんの数が多く、困っている方が多いためです。

 

顎関節症は、

  • アゴや顔の筋肉が痛い
  • 口が大きく開かない
  • アゴを動かしたときに音が鳴る

 

といった症状が最も主要であり、日常生活に支障をきたす疾患です。

 

今回、私(副院長)は、特に以下のトピックに関して勉強しました。

 

①顎関節症と似た症状を示し、顎関節症と間違って診断してはならない疾患について

・顎骨骨髄炎(アゴの骨の炎症)

・上咽頭の腫瘍(ノドの腫瘍)

 

②顎関節の脱臼(アゴが外れる)を繰り返す患者さんの原因として全身の筋肉の病気が存在していたこと

 

③街の歯科医院で行う顎関節症の標準的な治療について

 

④縄文人と比較した現代人のアゴや歯並びの形態について

 

⑤顎関節に発症する様々な疾患のエックス線やCT、MRIなどを用いた診断方法

 

⑥顎関節に発生した腫瘍や腫瘍に似た病気の病理組織像(顕微鏡検査)での細胞の特徴

 

これまでの知識を見直すことが出来ただけでなく、新たな発見や学びもたくさんあり、充実した機会になりました。

特に、顎関節症は似た症状を示す疾患が数多くあるため、慎重に鑑別診断をしなくてはならないことを再認識しました。

 

また、これまで学会発表や論文発表などを通して診断や治療方法の確立にご尽力されてきた先生方の功績や、新たな知見を得るために日々、研究や実験などに努めている先生方の姿を見て、改めて敬意の念を感じました。

今回の学びを日々の診療に活かしていきたいと思います。

 

来年は、私と院長が所属している東京医科歯科大学顎顔面外科が、日本顎関節学会の主管となりました。

学びの多い機会になると思いますので、今から楽しみです。

 

顎関節症が発症する原因や、治療法に関するご紹介はまた別の機会にしたいと思います。

 

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